東洋医学シリーズ3 「人の身体~水~」とは?
人の身体の基本構成は「気・血・水(津液)」と言われているとお伝えしましたが、 今回は最後の“水(津液)”について、お伝えしたいと思います。
水(津液・しんえき)は身体の血以外の全ての水分のことを指します。 水穀の精微の液体部分のことです。(「水穀の精微」詳しくはこちら)
「水穀の精微の液体部分」とは、唾液・胃液・涙・汗・リンパなど流動性のあるものと、 皮膚や筋肉、臓器の細胞内、関節 腔や髪の毛などを潤しているもの全てを指します。
全身を巡った水は「腎」にいったん集められ、振り分けられます。
まだ使える水は再び循環し、使えない水は排泄されます。
水が足りない状態を“陰虚”と呼びます。 この状態になると、のどが渇き、唇がひび割れ、肌荒れし、便秘気味になり、関節の動きも悪くなることがあります。
水の循環が停滞し、身体にとって有害な物質へと変化することを“痰湿”と呼びます。 停滞した水のうち、水っぽいものが“飲”と呼ばれ、ドロドロしたものが“痰”と呼ばれます。 キビ、吹き出物、痰、おりもの、時には軟便や下痢となって体の外に出ようとします。 呼吸器に痰ができれば、咳が出て胸が苦しくなります。 消化器に痰ができれば、お腹が張って食欲が下がります。 食べてもムカムカして、吐いてしまうこともあります。
一旦、飲や痰ができると流れがさらに悪くなり、悪循環となります。 また、気や血の流れも悪くするため、全ての循環に悪影響を及ぼします。